①勤労者に支払われる総額は日本全体で減減少継続
②勤労者全員の額面年収に対する手取は全所得層で減少継続
①と②でどうして可処分所得が増えるのか論理的に説明すべき
それと年功序列による昇給があるからいいという幼稚な反論は無意味だよ
年功序列による昇給は安倍政権以前と同じだからな pic.twitter.com/HAsYgmXP0f— tomtom (@analystTOM) September 15, 2018
所詮この国は年功序列!
年齢が上がれば給与が上がり、若いうちはたいしてもらえない。
しっかり働いている奴が不遇を食らうなんておかしいだろ?
ところで、終身雇用・年功序列とはご存知でしょうか?
新卒で入社したら定年まで一つの会社で働きづける、日本企業特有の制度です。
終身雇用・年功序列の基礎知識
もくじ
- 1.終身雇用・年功序列が生まれた経緯
- 2.社員は家族であるがうたい文句
- 3.年功序列・終身雇用を採用してる企業例
- 4.年功序列・終身雇用の企業では、クビになりにくい
- 5.若いうちは苦労する覚悟があればハッピーな働き方ができる
の5つについて解説をしていきます。
1.終身雇用・年功序列が生まれた経緯
昔から日本は終身雇用・年功序列だったのではないか?と思われがちですが、終身雇用や年功序列ができたのは戦後からです。
それはまでは職を転々とする人のほうが多かったです。一つの会社で働きづけるというよりは、どこかで丁稚奉公をするようにして働いて、自分でお店や会社を持つ人のほうが多かったのです。
●商店街と大型スーパーの違い●
お店を営んでいる人たち、個人経営はやっぱり不安定という思いはありました。だから、自分たちの子供には、安定したところで働いてもらいたいと願い、親は子供を学校に行かせ、企業に勤めたもらうことを求めました。
会社は、まっさらな若者を新卒で採用して、教育をして一人前のビジネスパーソンにします。で、一人前になった若者が企業に貢献していく。結果、企業が大きくなる。
基本は、この繰り返しです。
2.社員は「家族」であるがうたい文句
「社員は家族」というトップがいいますよね?
何を意味するかというと、
- 会社は家であり
- 経営者は親であり、
- 社員は子供たちである
であるという考え方です。
儒教文化との関係:年上を敬うのは当たり前という文化が年功序列を上手に根付かせることができました。小学校、中学校、高校、大学を使って先生や先輩には従うもの、生徒や後輩の責任を持って見ること。このような価値観を私たちは植えつけられてきました。
まるで会社は子育てをするように、まっさらな新卒社員を採用してゼロから育て上げます。いちから仕事を教えて、ビジネスマナーを教えてくれます。大学を卒業して入社した若者たちにとって企業に入社をするだけで、お金をもらえて勉強までさせてくれるわけです。
なので、あなたがもしも終身雇用・年功序列型の企業に入社をしたら、入社1年目は上司や先輩たちから社会人に必要なことはたっぷりと先輩たちから教えてもらえます。
もちろん、慣れないことばかりで、はじめの1年間は苦労が絶えないのかもしれません。
ここで歯を食いしばってしっかりと社会人にとって必要なビジネスマナーを身につければ、それらはすべて将来の糧になります。
そして、数年後、数十年後、あなたが30代前半になったころ、あなたは学校を卒業して新しく入ってきた若者にゼロからビジネスマナーや仕事を教えるのです。
3.年功序列・終身雇用を続けている企業
今の時代になって終身雇用・年功序列なんてものは、昔の制度でいまはもう化石なのでは?と思われがちですが、そんなことはありません。
たとえば以下の企業はまだ年功序列です。
- トヨタ・ホンダ自動車業界
- ナショナル・キャノン
- 大手テレビ局
- 日系の銀行・生保・保険
- 大手出版社・新聞社
は、いまだに終身雇用・年功序列を採用しています。成果主義や実力主義を謡ってはいますが、なんだかんだで年齢の向上に応じて、給料が上がっています。
逆に、年功序列を採用していていないのは、
- SI系企業全般
- IT・WEB業界
- 人材業界
ですね。
90年代以降に登場したマンパワー系のビジネスモデルですね。
日系のモノづくり企業の場合、終身雇用・年功序列は、長く働けば働くほど、技術が身に付き、結果、会社に対しての貢献度が上がるため、マッチしていると言えます。
一方で、その技術というのが必ずしも、ほかの会社で使える技術ではないため、そこがネックになります。
トヨタの現場の人は、トヨタ流の自動車は、上手に造ることができるかもしれません。当然ですよね。しかし、日産はホンダに転職をしたときに、それ以上の活躍ができるか、と言われたら別です。
たとえばあなたが空手歴10年で苦労した末、5段になり赤帯を持っていたとします。ところが、日本拳法や合気道を始めたら、白帯からスタートをするようなものです。
もちろん、空手で培った技術は活かせるのかもしれませんが、思想や構えが細かいレベルで異なり、「ゼロから学んだほうが早かった」という結果になります。
終身雇用・年功序列を採用している会社にも同じようなことがいえて、内部で培ってきた知識・技術が外に持ち運べず、同時に外で学んできたことが内部で活かせず、今までのスタイルを捨てて、その会社のやり方に合わせることが求められます。
4.年功序列・終身雇用の企業では、クビになりにくい
ところで、企業内労働組合とはご存知でしょうか?
労働組合とは、労働者が結託をして企業が何か悪いことをしないように圧力をかける団体ですね。企業内の労働監督基準署のようなものです。
終身雇用・年功制を採用している企業では、企業内部に労働組合があります。
「コンプライアンス事業部」などに置き換わり、部署になっていますが、終身雇用・年功序列系の企業では、企業内に労働組合があります。
労働者の雇用を守るよ、というスタンスです。
中には、トチ狂った経営者や上司から理不尽な扱いを受けて会社を追い出されることがあるかもしれませんが、そうならないように企業が労働者の雇用を守ってくれます。
日本には解雇要件がほかの国と比べて厳しいことも加えて、終身雇用・年功序列の企業では、さらに労働組合が従業員を守ってくれます。
5.若いうちは苦労する覚悟があればハッピーな働き方ができる
終身雇用・年功序列の企業は、若いうちは仕事が大変なうえに給料は高くありません。年齢に応じて給料がドンドンと上がっていくから、若いうちの苦労は金を買ってでも買え!という考え方が根付いています。
20代のうちは、色々と仕事を覚えさせられたり、様々な部署を転々とすることになります。また、勉強もたくさんさせられます。仕事も雑用ばかりです。ところが30代になってからは、重要な仕事を任されるようになり、40代になれば管理職のポストが待っています。
順調に行けばですけれどね…。
会社としても、その会社の技術や仕組みを知っている人には長く働いてもらいたいと思っています。
会社から人を連れてきても、育てるのに時間がかかる。その間、給料を払わなえけれならない。それなら、まっさらな新人を採用して、ゼロから育て上げよう、というものです。